
私はわりとコーヒーが好きな方だ。
朝目が覚めたら1杯のインスタントコーヒーを飲み、昼食後にちょっぴり贅沢なブレンドコーヒーを飲む。それが私の日課だ。(夫もそうしているようなので、我が家の日課ともいえよう)
味はというと、やはり豆から丁寧に挽いたブレンドコーヒーの方が断然美味しいのだが、何せ朝は時間がない。
朝から豆を挽いて、コポコポと小気味よい音を立てながらコーヒーの香ばしい香りに包まれる…なんてのも憧れるが、それはそれでなんだかなーと思うのだ。
それはきっと、朝インスタントコーヒーを飲んでいるおかげで、昼のコーヒーが何倍も美味しく感じられるからだろう。
贅沢であればあるほど良いってもんでもない。
それにバタバタと忙しない朝のひとときに、お湯をさーっと注ぐだけで、あっという間に「それなりに」美味しいコーヒーがいただけるというのも立派な贅沢だ。
<文・イラスト / 北野あさみ>

イラストレーター。1995年生まれ。立教大学卒業。2021年よりiPadを使ったイラスト制作をスタート。素朴な手描きタッチを得意とし、広告、書籍、雑誌、プロダクトのイラストレーションを中心に活動中。アートブック作品集『CUT2022年度版(ART BOOK OF SELECTED ILLUSTRATION)』掲載。